オブシディアンは、溶岩が急激に冷えてできた天然ガラスです。和名を黒曜石といい、火山岩の一種になります。
色合いはブラック、グレー、ブラウンなどのダークカラーで、透明感が見られるものもあります。オブシディアンの中で最も定番なものは、黒色の地石に金色の輝きが見られる「ゴールデンシーンオブシディアン」です。オブシディアングループのなかでも最も強烈に効果を発揮してくれる石です。
オブシディアンには他にも、黒色の地石にホワイトやグレーの丸斑点模様を持つ「スノーフレークオブシディアン」や、黒色の地石に銀色の輝きが見られる「シルバーシーンオブシディアン」、虹色の輝きが見られる「レインボーオブシディアン」などがあります。
いずれにしてもパワーストーンとしてはかなり強烈なエネルギーを持つので、怖いと感じることもあるかもしれません。けれども人生を変えたい、生き方を見直したいときには非常に有用な石のひとつです。
今回は、オブシディアンについて効果、意味と体験談をまとめていきます。
オブシディアンの意味
オブシディアン(黒曜石(こくようせき)、英: Obsidian)は、火山岩の一種です。 岩石名としては、黒曜岩(こくようがん)と呼ばれます。 英語名の「オブシディアン」は、エチオピアでオブシウス (Obsius) なる人物がこの石を発見した、という大プリニウスの『博物誌』の記述に由来します。
オブシディアンの特徴
火山活動によって地表に噴出した溶岩が、急速に冷えて固まり生じた天然ガラスのことをオブシディアンと呼びます。そのため「急速に」がキーワードで、潜在的に抱えている問題や思いを「急速に」顕在化するエネルギーを持ちます。
また、叩くと貝殻状に割れ、断面が非常に鋭いことから、古来から矢じりや石器として用いられてきました。オブシディアンは世界各地で様々な伝承が残されており、人々との関わりが非常に深い石のひとつでもあります。
オブシディアンのエネルギー
エネルギーを「急速に」倍加させる力がかなり強烈な石なので、ある程度クリスタルの扱いに熟練した人向きの石です。
地に足がついていない(グラウンディング)できていない人が欲望のみで持つと、オブシディアンの特徴であるエネルギーの急速な顕在化によって、感情や思念のネガティブな面が増大させてしまう可能性があります。
一方で、覚悟を決めて、しっかりとオブシディアンを向き合うことができれば、非常に強力なサポートとなり、未来を見通すインスピレーションやネガティブエネルギーからの防御、願望実現のスピードアップといった効果を得ることができます。
エネルギーの特性
- ネガティブなエネルギーからの防御
- 直感力を高める
- 決断力を高める
- 悪縁や悪習慣を断つ
- 潜在的問題を顕在化させる(本当の自分を知る)
- 求める結果にたどり着くスピードを速める(ただし、強烈)
オブシディアンの陰陽五行的理解
(※()内の数字は上記エネルギーの特性より参照)
オブシディアンは溶岩が冷え固まった石であり、そのことから”収れん”作用を象徴する「金」のエネルギーを持っています。「収れん」とは、一点に収束していくこと、縮んでいくことをいいます。陰陽五行の「金」とはこの収れん作用から、「分ける(必要と不必要が分かれるから、結果が残る(縮む)))」という意味を含んでいます。
「金」のエネルギーは、「金剋木(きんこくもく)」の相剋関係によって「木」を抑制するはたらきがあります。「木」は陰性のエネルギーの象徴であり、つまりネガティブエネルギーのことです。そのため、「金」であるオブシディアンはネガティブなエネルギーからの防御(1)作用を発揮してくれます。また、「木」のエネルギーは人の想念エネルギーを象徴するため、雑念も含まれます。「木」の気が抑制されることで、雑念など余計な思考を減らすことにつながるため、直観力が高まり(2)、決断力も高まり(3)ます。
さらに「金」は、「土剋水(どこくすい)」の相剋ルートを促進する「金の触媒」としての効果も持っています。このルートは、「土」という枠(社会的な枠組みや肩書など)に閉じ込められた状態から、「水」という本当の自分(自我)を発揮していくための方向へと向かっていくことを象徴しています。そのなかで、不必要なものは捨てて”収れん”していくことが重要になります。「土」の世界でこびりついた不必要なものの代表として、悪縁や悪習慣があります。これらは本当の自分を発揮していくためにはいらないものなので、「悪」という言葉がくっついています。これをバッサリと切ってくれるのが「金」であるオブシディアンです(4)。また、悪習慣は自分のなかに隠された潜在的な問題であることもあります。自覚がないからこそ、そこにはまっていられるという状態です。その問題点を無理やり自覚させて、修正していく(5)のも「金」のはたらきです。心理学的には、この目をそむけたくなるような潜在的な問題のことを「シャドウ」といったりもします。
「シャドウ」を自覚し、それを乗り越えていくことは人生の進歩に欠かせません。これをクリアすることができれば、求める結果にたどり着くスピードが格段に速くなる(6)のです。
ただし、「シャドウ」と向き合うことは恐ろしいことであり、ここに強烈さや恐怖を感じてしまいます。オブシディアンは、「金」の触媒として「シャドウ」に向き合わせるという効果を強く発揮してくれます。
- 「金」として、「金剋木」の相剋関係で「木」を抑制し、「土剋水」の相剋ルートを促進する。
- 「シャドウ(自分の嫌な部分)」に向き合わせる効果が非常に強烈であるため、恐怖や不安を感じることがある。
- 早く変化を求める人には、超おすすめ!
オブシディアンの使い方
必要に応じて、身につけてください。
オブシディアンの特殊な色と追加特性
一般的な特性に加えて、以下のような色のものは追加の特性があります。
ゴールデンシーンオブシディアン
オブシディアンのなかで最も有名で、黒の地石に金色の模様が入っています。
未来や過去、問題の核心へと導いてくれます。オブシディアンのなかでも、最も強烈に効果を発揮してくれる石で「オラオラ感」があります。
問題の顕在化のスピードは桁違いなので、問題解決の石(例えば、ガーデンクォーツ)などと組み合わせて持つことで、すみやかに現状からの脱却を図ることができます。
シルバーシーンオブシディアン
黒の地石に銀色の模様が入っています。
必要に応じて忍耐と根気を与え、思考パターンの浄化につなげてくれます。また、魂を肉体に戻す働きがあることから、肉体を離れて魂の旅(幽体離脱など)をする際に有用な石です。
ゴールデンシーンよりは穏やかですが、オブシディアン特有のクセの強さはあります。
スノーフレークオブシディアン
黒色の地石にホワイトやグレーの丸斑点模様を持ちます。不規則で暗い模様の石のため、少し怖いという印象があるのかもしれませんが、オブシディアングループのなかでも最も穏やかで、クセの少ない、明るいパワーを持った石です。
スノーフレークオブシディアンは成功だけでなく、失敗についても高く評価することを教えてくれる、非常に優しいエネルギーを持つ石です。誤った考えやストレスの多い思考パターンの認識と、それを開放するのを助けてくれます。
水晶よりも強力で、とてもポジティブなエネルギーのある石です。
レインボーオブシディアン
レインボーオブシディアンは、優柔不断な感情を取り払い、直観力や決断力を高めてくれるとされています。また、トラブルなどに巻き込まれた際にこの石を手にして瞑想すると、現状を打開するアイディアが生まれると生まれると言われています。
マイナス思考やトラウマ、破壊衝動や攻撃性といった感情面のマイナスなエネルギーを取り除き、自分を向き合って精神的な成長を促してくれます。その効果は「心のトゲをそっと抜く」と表現されることもあります。
オブシディアンの体験談
『オブシディアンを持ったとき、とても怖い夢を見た』
オブシディアンは私が最も強烈な体験をした石のひとつです。
オブシディアンを購入したその日の晩から異変は起こりました。その日は、恐ろしい悪夢を見たのです。
「私は鏡の前に立っていました。
鏡の中には、緑とか茶色とかが混じった色の、ゾンビのような、とても怖いものが映っていて、それがこちらに向かって歩いてくるのです。
私は怖くて、ダーツを投げて攻撃しました。怖いものは赤い血を流しました。
それでもこちらに向かってくるので、私は怖くて逃げ出してしまいました。」
そこで目が覚めました。
あとになって、オブシディアンの意味を調べたところ、これがどうやら私の「影(シャドウ)」との対峙だったようです。「影(シャドウ)」とは私自身の、私が見たくない醜い部分で、無視しながら生きている部分のことです。
その翌日、私はオブシディアンをブレスレットに入れ込みました。そうすることが夢にまで現れくれたオブシディアンに対しての礼儀だと思ったからです。
そして、それから3日間、泣かない日はありませんでした。
毎日毎日、自分の嫌な部分が「これでもか!」と顕在化してしまったのです。本当に毎日が同じテーマの繰り返しでした。昨日も揉めたことが、今日も同じことで揉めるのです。学習していないのではありません。だんだんとエスカレートして、分からせようとしてくるのです。そして、それが実感としてわかるのです。覚悟がなければ、単なる恐ろしく、嫌な経験として終わってしまうでしょう。
しかし、3日間泣き暮らしたあと、私は生まれ変わっていました。心のなかに、以前のような醜い部分がなくなり「これも私の一部」として理解できるようになっていたのです。
オブシディアンは、強烈に確実に変化をもたらしてくれる石です。現状を変えたい、自分の殻を破りたい人にはぜひとも持っていただきたい石です。しかし、本当の自分に出会わせてくれる過程で、恐ろしい経験をすることがあります。その覚悟ができていないと、おすすめできない石なのです。
カードにおけるオブシディアンの意味
各種カードにおけるオブシディアンの意味を比較していきます。
『CRYSTALS』by Emily Anderson
強さ
出典:Emily Anderson『CRYSTALS』
変化中のサポート
日常ストレスの解消
ネガティブエネルギーの除去
『daily crystal inspiration』by Heather Askinosie
記載なし
出典:Heather Askinosie『daily crystal inspiration』
『CRYSTALS THE STONE DECK』by Andrew Smart
Protect your soul.(あなたの魂を保護してください。)
出典:Andrew Smart『CRYSTALS THE STONE DECK』
『THE CRYSTAL SPIRITS ORACLE』 by Colette Baron-reid
自己を観察する、内省、”汝自身を知れ”
出典: Colette Baron-reid『THE CRYSTAL SPIRITS ORACLE』
『CRYSTAL ANGELS ORACLE CARDS』 by Doreen Virtue
記載なし
出典:Doreen Virtue 『CRYSTAL ANGELS ORACLE CARDS』
(参考)『スター・ウォーズ』に見る、自分の「影(シャドウ)」と向き合うこと
オブシディアンをみると、いつも映画 『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』に登場した洞窟のシーンを思い出します。
主人公ルーク・スカイウォーカーが、ジェダイになるためのトレーニングの一環として、洞窟に入っていくというシーン。彼は中でダース・ベイダーの幻影と対峙し、激闘の末打ち負かしたかのように思われましたが、ダース・ベイダーのヘルメットの下に自分の顔があるという幻を見てしまいます。
このシーンには様々な解釈がありますが、この洞窟は彼の心の内で、ルークが出会った相手こそが彼自身の暗黒面、すなわち「影(シャドウ)」であったという解釈が好きです。
オブシディアンもまさにこの洞窟のような効果をもたらしてくれると考えています。
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