霊性の道が感覚でわかる!生活に取り入れたい“魂の進歩”の五行的理解

陰陽五行は、森羅万象すべてを貫く哲学なので、あらゆる分野に応用が可能です。

陰陽五行のなかでも『相剋ルート』は、特に重要な概念であり、自分の人生や生き方を考えるうえで、ぜひ理解しておきたい考え方です。(個人的には、この『相剋ルート』で説明される“魂の進歩”が”リハビリテーション”の概念と一致したときには、あまりの感動で震えました。「リハビリ」といえば「運動すること」と捉えられがちですが、陰陽五行からみれば「人生の縮図」としてみることができます。)

『相剋ルート』が理解できると、スピリチュアルでよく言われる「手放し」や「枠」「自分軸」など、ともすれば言葉が一人歩きして、形骸化してしまっている概念も本質からわかってくると思います。

今回は、”魂の進歩”について陰陽五行の観点からまとめていきます。

相剋ルートは「進歩」を表す

陰陽五行をルートとして捉え直したとき、『相生ルート』は無意識の動きを表しており、常に動いているものです。人間の成長を表現するなら、「肉体的に大人になっていく過程」は放っておいても自然に進んでいくので、相生のはたらきということになります。

「食べたものが(木)→熱処理されて(火)→消化、吸収されて(土)→排泄(隔離、破壊)されて(金)→エネルギーをつくる(水)」。そうやって、相生ルートをぐるぐるとまわりながら、エネルギーがつくられ、肉体の成長が起こっていると理解できます。

精神の成長も『相生ルート』で説明できます。「表象に出会う(木)→興味を持つ(火)→常識世界に浸る(土)→無意識の投影(金)→エゴ(水)」です。難しい言葉で表現しましたが、理解していただきたいのは、これは無意識の流れであって、ここに成長はないということです。無意識の導くままに、自分の興味の赴くままに世界を認識していては、エゴ(自己中心)に陥ってしまうということが表現されています。逆に言えば、自然の成り行きに従うだけではエゴを増長してしまうだけになるのです。

では、どうすればエゴに囚われず、ちゃんと”魂”を進歩させることができるのか。自分の欲求だけに従う人生から抜け出せるのか。

それを示してくれるのが『相剋ルート』です。

肉体の成長を『相剋ルート』にすれば、「食べたものが(木)→同化されて(火)→消化、吸収(弛緩)されて(土)→排泄(収縮)されて(金)→免疫の変化(水)」となります。先ほどの『相生ルート』と異なるところは、「熱処理」が「同化」に、「排泄(隔離、破壊)」が「排泄(収縮)」に、「エネルギー」が「免疫」になっています。

『相剋ルート』は進歩を表し、進歩には努力が伴います。身体の熱を「熱処理」と捉えれば、単に身体が熱を発して処理しているという反射的な反応を示すことになります。しかし「同化」と表現すれば、「同化」するための熱であって、意図的に行われているということが明確になってきます。

排泄にしても「隔離、破壊」と捉えると単に分解して捨てるだけの行為ですが、「収縮」ならば身体を維持するために、意図的に緩んだものを引き締めるはたらきがあるということがわかります。

最終的に得られるものが「エネルギー」ではなく「免疫」になると、なるほど生きるためにただ食べるだけではなく、自己を確立するために食べるんだな(意図的に)とわかります。

『相剋ルート』でも、同じ5つの要素で説明されるので一見すると、まったく同じことを言っているように見えます。異なるのは、「火」と「金」が直接ではなく、外から触媒としてはたらきかけるとされている点です。少しだけ視点が違うのです。しかし、これこそが陰陽五行の奥義ともいえる考え方です。

精神の成長も『相剋ルート』でみてみましょう。「表象に出会う(木)(意識的に受け入れる(驚き、感情表現)(火))→現実を受け入れる(土)(畏敬と棚上げ(金))→個性としてのエゴ(水)」。

『相生ルート』が「エゴ(自己中心)」に行き着くのに対して、「個性」に到達しました。そして、そのためには「意図的に受け入れること(火の触媒)」「畏敬と棚上げ(金)(簡単に言えばリスペクト)」が必要であると理解できます。

すなわち、エゴにとらわれないようにするには、自分の興味・関心だけに流されるのではなく、意識的に逆のことも知ってみる。そして、現実を知る。それから、それにリスペクトを示しつつ、自分を純化させていく。これが”魂の進歩”ということです。

「火(か)」と「金(きん)」について

もう少し、「火」と「金」について詳しくみていきます。触媒として作用してくることを理解するためには、その特徴を掴んでおく必要があります。

「火」の触媒の役割

「火」は”熱”の象徴です。「熱をあげる」とか「熱心」「お熱だ」と表現すれば、興味や関心を示して、それに集中することを表します。誰でも好きなものは好きだし、興味があるものはいつまでも続けられます。ですから、これは『相生ルート』の「火」です。

火をつける人のイラスト(棒人間)

『相剋ルート』の「火」、「火の触媒」は”愛・共感”を象徴します。愛や共感は、自分の興味や関心だけで完結するものではありません。好きを超えた、もっと深いものがあります。

例えば、親の愛です。子どもが猫を見て「ワンワン!」と言ったら「違うでしょ!あれは猫!」と頭ごなしに否定するのではなく、「わんわんはあっちの犬よ。これは猫。猫はにゃんにゃん」と子どもの考えを受け入れたうえで、優しく物事を教えていきます。これが「火の触媒」となって、子どもは現実を認識(土)していくようになるのです。

大人が行動を起こしたり、現実を変えていくのも同じです。進歩のために、考え(木)を現実化(土)するためには、「火の触媒」が必要なのです。では、大人にとっての「火の触媒」とはなにか。

それは究極的には「自己愛」です。最初のきっかけは他人から褒められることでもいいのです。しかし、最終的には自分で自分を認めてあげてはじめて現実に変化を起こすことができます。ハイヤーセルフからの”愛”と表現してもいいでしょう。私たちは、常にハイヤーセルフからのエネルギーは受け取っています。それが自分を成長させてくれる「火の触媒」なのです。

「金」の触媒の役割

「金」は刃物、刃物は切り”分ける”と考えれば、わかってくる象徴です。肉体的には、排泄は「いらないものを捨てる」行為です。要るor要らないを”分けているということがわかります。

ものがいっぱいになれば、いずれ捨てる必要がでてきます。人形遊びが好きだった子どもも、いずれはお化粧をするようになり、人形は捨てられます。いっぱいになったら捨てるは、だれでもやることなので『相生ルート』の「金」です。

ナタのイラスト

『相剋ルート』の「金」、「金の触媒」は”青天の霹靂(へきれき)”を象徴します。「金の触媒」は、「土」から抜け出すためにはたらくので、今までのこと(価値観、常識)を覆すような出来事として現れてくるのです。

例えば、子どもにとっての転校です。転校すれば、今までの常識は通用しません。価値観を見直す必要が出てくるでしょう。流行っているものも違うので、持ち物も変えていかなければついていけないかもしれません。けれども、そこで頑張れば、自分の進歩につながります。新しい自分に気がつくことになるのです。

これが「金の触媒」です。 大人でも同じですが、多くの大人は「土」の世界(世間の常識や一般論的価値観)にどっぷりはまっているので、「金の触媒」を怖いものとして認識してしまいます。いくら自分が進歩できるとしても、これまでの常識が崩れ去るのはつらいと感じてしまうのです。

そのため、多くのひとは「木→土」で止まるといわれています。自分の常識にとどまっているほうが居心地がよいので、進歩を諦めてしまうのでしょう。逆に、このことに気がつくことができれば、自分を進歩させることができるので、逆転のチャンスになり得るということです。あなたはどちらの人間ですか。

「土(ど)」に落ちなければ、その先はない

大切なことをもう一つ。スピリチュアルの世界では「枠から抜け出そう」とか「手放し」とか、場合によっては「洗脳されている」といった表現をよくみかけます。

「金の触媒」のところで触れた、世間の考えに流されている状態や社会的な枠に囚われていることを表現しているのでしょう。陰陽五行でも、そのことを「土は育てるが、腐らせる」と表現します。「土」という世界は、枠(学校や会社)にいれて私たちを育ててくれます。しかし、いつまでもそこにいては腐っていくしかないのです。

この「土」を振り切ることを表現するのが「手放し」という言葉だと思います。しかし、「手放し」が単にモノを捨てようとか、社会の常識をぶち壊そうになっていることに疑問を感じざるを得ません。「手放し」は、あくまでも「土」から先のことを言っているのであって、一度は「土」の常識に落ちていなければその先はありえないのです

スピリチュアル系のひとの多くは、これを理解できていません。人生は「落ちて、昇る」の繰り返しです。落ちて昇るから、進歩があるのです。それを「手放し」という言葉で、”落ちないように”と努力しています。だから、「気があがって」しまうのです。うわずってしまうのです。

一度、「土」の常識に落ちてこそ、その先が見えてくるこれがこの記事で、もっともお伝えしたいことです。

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