十文字五行と星型五行の意味と使い方

「陰陽五行」の面白さは、世の中のありとあらゆるものに当てはめて、その関係性を考えることで、問題点や解決策が見えてくるということにあります。

例えば、「アンパンマンとバイキンマンが戦う理由」とか「仮面ライダーは敵に必ず勝つ」というようなことを説明できたりまします。「それのどこが使えるねん!」って言われそうですけれど、これを少し応用すれば前者は「なぜ、あの人と仲が悪いのか」、後者は「集団に、個人で勝つためにはどうすればいいか」が見えてくるヒントになるのです。

また、スピリチュアルでよく言われる「手放しとはなんぞや」ということも、理解できるようになります。「手放しが課題です」って言ってる人に限って、手放しの本質が理解できていません。単に捨てるとか、減らしていくとか、自己否定になっていることが多いですが、ぜんぜん違います。

この応用の幅広さこそ、陰陽五行です!

今回は、五行を表す図形「十文字五行」と「星型五行」についてまとめていきます。

五行を表す図形

五行を直感的かつ論理的に応用するためには、五行を図形的に理解しておくことが大切です。五行の象徴を理解して、図形に対応させていけば、自然と物事の本質がみえてくるようになります。

五行を表す図形には、大きく2つ「十文字五行」と「星型五行」があります。

『十文字五行』は、自然界(空間、時間)を表す

十文字五行は、易学(占い)、民俗学で主に使われる形です

陰陽から五行への展開を思い出してください。

世の中を説明するために「ふたつのもの」を「4つ」として、ここに中心が加わり「5つ」になったのでした。これを図で表すと下図になります。

ここに、この図を方角(東西南北)と考え、象徴から考えた 「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水(すい)」 を当てていきます。これが十文字五行です。

この象徴を考えるのが最初は難しいのですが、勉強していくなかでだんだんとわかってきます。

ここでは、”おひさまが昇る方角(東)”=「木」、”おひさまが最も高い方角(南)”=「火」、”おひさまが沈む方角(西)”=「金」、”おひさまが最も遠い方角(北)”=「水」と考えました。

なぜ、そういう対応になるのかについては『五行の象徴についての考え方』をご覧下さい。

こうして、完成したものが『十文字五行』です。これは私たちを取り巻く自然界をイメージ化(抽象化)したものだと考えてください。「土」は中心ですが、全体を表す象徴でもあるため、この十文字五行においては他の要素がないところで、「土」の影響が高くなります。つまり、あいだのところで「土」の気が高くなるということです。

鬼門の意味

『十文字五行』を方角に当てはめると、風水で有名な「鬼門」がみえてきます。

鬼門とは、日本で古くから忌み嫌われてきた方角のことで、北東のことです。鬼門は物事をするのに避けたほうが良い方角を意味します。日常の会話でも「この課題が鬼門なんだよな」など、苦手なことや辛いことを表現するときに使います。

ここはちょうど北と東の境目であり、この境目では「土(ど)」の気が高まるため、危うい場所であって、”鬼”がくるといわれています。本当は、それぞれの間になる方角4方向がすべて危ういと考えられますが、特に「鬼門」が有名になったということです。

土用の意味

今度は、季節に『十文字五行』をあててみます。

季節では「土用」というのが有名です。「土用は鰻」とスーパーでもノボリがあがります。この「土用」も考え方は方位と同じです。境目で「土(ど)」気が強くなって、危ういのです。

つまり、季節の継ぎ目にあたるところです。そのため、「土用」は「冬と春の間」「春と夏の間」「夏と秋の間」「秋と冬の間」の全部で4つあります。なかでも「夏と秋の間」が有名で、うなぎでパワーチャージしておきましょうといわれます。そのくらい体調を壊しやすいタイミングであるということです。

『星型五行』は、変化、進化、関係性を表す

星型(五芒星(ごぼうせい))五行は、東洋医学や精神世界で主に使われている形です。

陰陽師(おんみょうじ)として有名な「安倍晴明」が書いたりすることでも知られています。

五行を使うといったら、まずこちらのイメージですね。この図には、五行の5つの要素(エレメント)の関係性と方向性が示されています。

相生の関係

図中、青色の矢印で 「木(もく)」→「火(か)」→「土(ど)」→「金(ごん)」→「水(すい)」で進む関係のことを『相生の関係』といいます。 この関係は、お互いに生む関係になっています。

「木」→「火」…木は燃えて火になる

「火」→「土」…火が燃えたところに土が残る

「土」→「金」…土のなかには鉱物ができる

「金」→「水」 …鉱物(金属)の表面には水滴がつく

「水」→「木」 …水は木を育てる

と説明されます。

例えば、「温めると甘味が増す(アイスは溶けたほうが甘い)」というのは、温める(火)→甘味(土)であり、「火生土(かせいど)」の相生関係でそのまま説明できるということです。より甘味を感じたいなら、少し温めて食べるほうがいいということがわかります。

相剋の関係

図中、赤色の矢印で「木(もく)」→ 「土(ど)」→ 「水(すい)」→ 「火(か)」→「金(ごん)」 で進む関係のことを相剋の関係といいます。この関係はお互いに剋する(殺す)関係になっています。

「木」→「土」…木の根は土の場所を奪う

「土」→「水」…土は水を埋め立てる

「水」→「火」…水は火を消す

「火」→「金」…火は金属を溶かす

と説明されます。

例えば、「パンケーキにフルーツを乗せるとあっさり食べられる」というのは、フルーツの酸味(木)→パンケーキの甘さ(土)であり、「木剋土(もくこくど)」でそのまま説明できるということになります。酸味で甘さが殺されているから、あっさりなのですね。

”道筋(ルート)”としてみる星型五行

この星型五行、相生・相剋の関係を矢印の流れをみて、それぞれ道筋(ルート)としてみることで、五行のさらなる力が発揮されます!相生の関係によるルートを「相生ルート」、相剋の関係によるルートを「相剋ルート」と呼びます。

相生ルートは、自然界の動き(ほっといても自動的に流れる動き)(無意識的な動き)、

相克ルートは、意志に伴う動き(意識的に用いる動き)とみることができます。

具体例を挙げます。

精神の流れを「相生ルート」をもとに表すと、表象に出会う(木)→興味を持つ(火)→常識世界に浸る(土)→無意識の投影(金)→エゴ(水)となります。象徴の考え方も混ぜながら、概念の話をしているので難しいのですが、これは「興味があることにはとことん興味を示し、それを常識として、自己中心的な世界に浸っていく」過程を示しています。自分の興味・関心が赴くままに生活している状態です。無意識での動きということがわかっていただけますでしょうか。

一方、同じことを「相剋ルート」をもとに表すと、表象に出会う(木)→(意識的に受け入れる(驚き、感情表現)(火))→現実を受け入れる(土)→(畏敬と棚上げ(金))→個性としてのエゴ(水)となります。相剋ルートでは、「火」と「金」は直接ルートに入っていません。そのため、触媒的に影響してくれると考えるので、カッコ書きにしました。ややこしく難しい表現になってしまっているのですが、これは「意識的に物事を受け入れることで、現実を拡大し、自分の個性として開発していく」過程を示していることがお分かりいただけますでしょうか。表現は先の「相生ルート」とほとんど同じなのに、意識的な動きになっているという点で、自分を進歩させるための発想が組み込まれています。

正直、これだけで理解するのはとても難しいと思います。別の機会にも、相生・相剋ルートの考え方については具体例を挙げながら解説いたしますので、あわてずゆっくりと勉強してください。今回は、「そういう考え方もあるのか」と思っていただけると、とりあえず十分です。

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